DXへの取り組み、わたしたちがデータ分析を学ぶ理由


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企業がテクノロジーを利用してこれまで以上にユーザーを魅了するビジネスに変革するためには、3つの要素が重要であると言われています。ビジネス継続性の維持をするために多くの企業がこの3つの分野に投資をしています。

  • テクノジー
  • プロセス
  • 人材

テクノロジーの導入は企業の生産性を飛躍的に向上させるパワーを持ちます。それは従来のプロセスの見直しを伴う時に最大の力を発揮します。せっかく新しいテクノロジーや機械を導入しても従来と同じやり方をしていては十分な成果をあげるのは難しいでしょう。たとえば書類に判子を捺印する業務を機械に置き換えるようなケースです。ここでプロセスを全面的に変えて書類を電子に切り替えて判子自体を廃止し、電子署名へプロセスを切り替えてこれを実現するためのSaaSサービス(テクノジー)を採用するというものです。プロセスの変更があって初めて電子署名に切り替えることが可能なのです。これを従来どおり紙の書類と捺印のプロセスにこだわってしまうとテクロジーの採用も捺印を前提としたロボットの採用という形になり、生産性の向上は飛躍的には上がりません。

さて人材はどうでしょうか?上記の電子署名の例をとってもこのプロセスを受け入れる人への教育はさらに重要となります。プロセスの変更は反発、混乱を生じさせる原因にもなりかねません。そこには十分な支援のための教育が欠かせません。会社の経営層が声高にDXを掲げるだけでは物事は前に進みません。

テクノロジーの採用、プロセスの変更、人材の教育をセットで検討が欠かせません。さてその順番はどうでしょうか?

わたしたちは人材の教育が最優先であると考えます。

プロセスの変更には十分な予備訓練が必要です。飛び込んであとから変更の失敗に気づいても現場とお客様、サプライヤーが混乱してしまいます。まずはプロセスの変更を伴う社員に十分な訓練、教育の計画を立て、その上でプロセスの変更を体験していただき、その上でテクノジーを採用するという順番がもっとも安全なデジタルトランスフォーメーションの進め方といえるでしょう。

幸いなことに多くのSaaS製品には、十分な無償利用期間が用意されています。同時にそのテクノロジーを学ぶためのコンテンツもオンラインに公開されており、中には動画で丁寧に説明しているものも多く存在します。このような状況からセルフラーニング(自己学習)を通して多くの人がテクノロジーやプロセスの変更に備えて準備をすることができるようになっています。これは自由な時間が与えられており、自由にSaaS環境を採用してテストができる企業であればこのような進め方が適しているでしょう。ベンチャー企業の多くはこのように新しいSaaSが世の中に出てくると個人で試し、企業でも少人数でトライして採用、2−3ヶ月の試験運用の結果利用できそうなものを本採用することで新しいテクノロジーとプロセス改善が行われていきます。

さて、あなたの会社ではどうでしょうか?

自由にSaaSをテスト導入することができない。ある程度自由に新しいテクノロジーをセルフラーニングする時間を確保されていない。これではデジタルトランスフォーメーションを本部に依存した形でしか進めることはできないのではないでしょうか。もちろん会社全体で新しいテクノロジーを採用することは重要なことです。しかしプロセスはどうでしょうか?小規模な単位のプロセスを知り尽くし改善できる人材は各事業部の担当者の貴方かもしれません。

DXの中心はプロセスの変更を伴うテクノロジーの採用であり、プロセスの変更によりすべてのサービススピードをさらに短縮し、これまで以上に多くのことを短時間でこなすことができるようにすることでユーザーを魅了することができるようになるのではないでしょうか。ユーザーは外部の顧客に限ったことだけではありません。人事や経理部門では勤怠や経費精算の簡略化やスピード改善で喜ばれるのは社員である社内ユーザーになるでしょう。ユーザーが高い満足度を得ると継続して利用します。社員の定着にも繋がり、削減された時間を他のユーザーのために費やすことができるようになります。最終的には社外のお客様のためにより良いサービスを提供する時間を確保できるようになるでしょう。

すこし話は長くなりましたが、これがDXの基本の3つの要素と優先順位についてです。

さて次にデータ分析についてです。先ほどプロセスの変更について話をしました。私たちは一体何に一番時間を費やしているのでしょうか?誰のための仕事をしているのでしょうか?最も利益をもたらしているお客様は?最も費用をかけている業務やプロセスは一体どこでしょうか?

答えは私たちの身近にあります。活用されていないデータがみなさんの周りに溢れています。ただし目に見えない場合も多いので気づいていないこともあります。

みなさんは、毎月何回体重を計りますか?

みなさんは、毎月何回体温を計りますか?

みなさんは、毎日何回ユーザーの声を目にしていますか?

みなさんは、毎月何回売上を見ていますか?

私たちは計測できるものしかコントロールできないとも言われています。体重を知らなければ体重をコントロールすることはできません。毎日体温を測らなければあなたの平均体温や微妙な変化に気づくことはできません。ユーザーの声を聞かなければ満足度を理解し、改善することは難しいでしょう。売上を毎月1回しか見ていなければ、月末時点の売上を予測し日々改善することができません。

そこにはデータが必要なのです。ある特定時点としてのデータは、状態を知らせているにすぎません。日々蓄積したデータをつなげて、集計し、時系列にならべて可視化すれば、データの変化や傾向を簡単に発見できます。週、月、年といった単位で集計し比較すれば過去との比較から改善対策が組めます。そこにはビジネス数字力、データ可視化と統計、分析力、仮説検証力など必要な知識があります。テクノロジーの進化に伴い、プロセス改善による改善効果が高まった今、データを見る力がこれまで以上に必要とされる時代になったといえます。

わたしたちは、プロセスを習熟した現場に近い人がデータを見る力を養うことでプロセス改善に最も近づけるというのはこれまでの経験からよく知っています。

モダンBI市場で選ばれているTableauプラットフォームは、現場に近い人たちの身の回りにあるデータを迅速かつ用意に実用的に可視化してインサイトをえることができる優れたツールの一つです。私たちが運営するTableauデータサイエンス勉強会のFBグループには、すでに2300以上の人が参加しています。Tabeluコミュニティには全世界で500以上のユーザーグループがあり、 100万人のメンバーがいます。変わりゆくテクノロジーとプロセスの中で変革を推進する皆様がデータを見る力を身につけさらに組織の中でデータドリブンな文化の中心的役割を担っていくことを支援しています。

私たちは、データを見る力、データを分析する力を習得するのはDXの基本的素養と考えています。同時にイノベーションを最大限に引き出す人材教育に焦点をあてデータを見る力を養うオンライン研修活動を積極的に支援しています。皆様のDXへの取り組みにデータ分析を取り込みより多くのビジネス問題の解決、ユーザーサービスの向上が図れることを願っています。もし組織内でお悩みのことがありましたらスプライングローバルまでお気軽にご相談いただければ幸いです。

 

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